米非農業部門雇用者数は17.7万人増と市場予想を上回り、労働市場の底堅さを示唆。利下げ期待が後退する中でも、ドル円は円高圧力を受けて144円台後半まで軟化した。
市場はFRBの利下げ開始時期を7月以降と見なしつつあり、米ドルは円やユーロに対し下げ幅を縮小した。
米株式市場は経済指標の堅調さと米中貿易摩擦の緩和期待を背景に2週連続の上昇。
ユーロドルは一時1.138ドル台まで上昇するも、終値では1.13ドル台にとどまり、上値の重さを確認する形となった。
ユーロ円は146.3円の節目で反落し、短期的には上昇余地が限定される構造にある。
前日価格変動TOP3
- AUDUSD +0.97%
- USDJPY -0.25%
- GBPJPY -0.35%
NY市場マーケットハイライト
- 米雇用統計は17.7万人増と市場予想を上回る、労働市場の底堅さを示す
- 米雇用統計は良好な結果も、米ドル安が継続
- 米FRBの利下げ開始時期が後ずれ、現時点では6月~7月と予想
- 米株式市場は続伸、堅調な経済指標と米中貿易摩擦の緩和観測を背景
- ロンドン株式市場続伸、FTSE100種指数は15営業日連騰の過去最長記録を更新
- トランプ前大統領、SNS上でFRBに対し再度利下げを要請
- ドル円は144.85円まで下落、雇用統計発表後も円高の流れが続く
- ユーロドル、一時1.138ドル台まで上昇したが売り圧力が強まる展開
- ユーロ円は20EMAを意識しているか、上値を試すも売り圧力が強い
ユーロ円 テクニカル分析
ユーロ円の日足チャートを分析する。ユーロ円はこれまで20日移動平均線(20EMA:黒線)付近を中心に、明確な方向感を欠いたレンジ推移が続いていた。5月1日は長い陽線によって一時的に上放れの兆しが見られた。しかし、5月2日にはやや反落しており、上値追いには慎重さが求められる局面である。
さらに、164.3円のレジスタンスラインに上値を抑えらている。164.3円は2023年12月の安値と2024年7月の高値を基準としたフィボナッチ50%戻しに該当する。
上抜けた場合、次の主要な抵抗帯としては、2024年7月高値と同年8月安値を基にした50%水準である164.9円付近(赤線)が控えており、段階的な上値試しとなるだろう。

短期的には、日足のローソク足が高値を切り上げているようにも見える(赤斜線)が、オシレーター系指標であるA/Dラインは低下傾向を示しており、いわゆるベアリッシュ(弱気)・ダイバージェンスが発生している。
また、1時間足チャートを確認すると、ローソク足が20EMAに上値を抑えられる形で陰線を形成し、一目均衡表では遅行線がローソク足とデッドクロスを示現しており、短期的な上昇の勢いは限定的とみることも可能である。
なお、日本はGWであるため、ユーロ円はユーロドルの影響を受けやすくなることに注意したい。
今日の経済指標とイベント(5月5日)
- 日本・英国、休場
- 22:45(日本時間)、米PMI(購買担当者景気指数)
- 23:00(日本時間)、米ISM非製造業景気指数