注目の経済指標とイベント(5/19~5/23)

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今週の米国市場は、PMIや住宅販売、失業保険申請など重要指標が集中。景気減速の兆しが見られれば、FRBによる年内利下げ観測が強まり、ドル安圧力が一段と高まる可能性。

主要国のインフレ・景気指標が交錯する中、ドル・ユーロ・ポンドは政策見通しを織り込みながら、方向感を探る不安定な値動きとなる見込み。市場は一段と政策当局のスタンスに敏感な局面へ。

ユーロ圏では、英国消費者物価指数と独Ifo景況感指数に注目が集まる。インフレ鈍化や成長の停滞が確認されれば、ECB利下げ開始観測が予想される。

米韓為替協議でドル安是正が議題となったとの報道を受け、市場は米政権のドル安志向を意識。為替市場は米国の政策動向に敏感な状況が続く。

 

注目の経済指標とイベント(5/19~5/23) 

 

  •  米PMIや住宅指標、失業保険申請件数はドルの方向感を左右し強ければドル高要因
  •  米中が関税停止で合意、市場は安定化を好感し今後の要人発言がカギ
  •  AUDUSDとUSDCHFは上昇チャネル内で推移、ブレイクでトレンド変化に要警戒

相場のファンダメンタル

今週の為替市場で、特に注目されるのは、米消費者物価指数(CPI)と米小売売上高だろう。関税の影響がどこまで数値に現れるのかに注目したい。消費の減速が確認されれば、為替相場は大きな影響を受けることになる。

米中は相互に課していた高関税を大幅に引き下げ、90日間の一時停止措置を講じることで合意。リスクセンチメントの改善につながっている。

しかし、水を差すように、米韓の高官が為替政策について協議し、対話を継続することで合意したことが報じられた。これを受け、一気に円高が強まった。「トランプ政権がドル安を模索している」という観測は今週の相場にも影響するだろう。

テクニカル分析

豪ドル/米ドル(AUDUSD)

豪ドル/米ドル(AUDUSD)の日足チャートを分析する。2025年1月以降、安値を切り上げる形で上昇トレンドチャネル(青破線)内での推移が続いており、中期的な上昇基調が継続している。2025年4月には一時的に0.591ドルまで急落したが、直後に反発し、再びチャネル内へと回帰している。現在の価格帯もチャネルの中段での推移が続いている。

下値はフィボナッチ・リトレースメントの23.6%水準(赤点線)付近で抑えられており、短期的なサポートとして意識される水準である。この価格帯がチャネルライン下限に近づいており、仮に明確に下抜けると次なるトレンドへの変化となる。

一方、RSI(14)は50前後で横ばいを維持しており、買い圧力と売り圧力が同程度となっている。0.6370ドルはチャネルラインとフィボナッチ水準という2つのテクニカル指標が重なっている。当面は0.637ドル近辺、またはチャネルライン下限を明確に下回るかに注目していきたい。

【豪ドル/米ドル(AUDUSD) 日足】

 

米ドル/スイスフラン(USDCHF)

USDCHFの日足チャートを分析する。2025年4月中旬の安値形成以降、価格は上昇チャネル(青破線)内で推移しており、短期的な上昇トレンドが継続している。

直近の動きでは、5月7日安値、5月12日高値を基点とするフィボナッチ・リトレースメント(赤点線)において、50%(0.833CHF)が意識されるレジスタンスとして機能している。

5月12日までの連続陽線後にチャネル上限の0.847CHF付近で上値を抑えられた。一方、一目均衡表の転換線(赤実線)は同50%近辺と重なり、同様に重要な支持線として注目される。

またRSIは50付近で推移しており、売り圧力と買い圧力が拮抗している状態。

今後は、0.8330CHF近辺とチャネル下限の支持線が意識される一方で、再び上昇を試す動きが見られるかが注目したい。仮にチャネル下限を明確に割り込む展開となれば、短期トレンドの変化に注意が必要である。

【米ドル/スイスフラン(USDCHF) 日足】

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